なぜ、お葬式をしないといけないのでしょうか。
あなたの身近にいる人が亡くなられ、喪主と言われる立場になった時にお葬式は必ずしないといけないわけではありません。
最近では、葬祭儀礼を一切おこなわずに火葬場でお別れをするいわゆる直葬を希望されるケースが増えてきました。
その理由として費用をあげられる方が多いですが、お葬式にはさまざまな意味や目的を持って行われてきました。
お葬式の意味、目的についてはいろいろな側面がありますが、主に以下の5つの役割があります。
各役割の重要性、優先度については時代とともに変わるとともに、各家庭の事情などにおいても変わってきます。
1.心理的、精神的役割
人の死は、故人との距離感に関わらず多くの人に衝撃と悲しみを与えます。
特に個人と密接な関係であった配偶者、親子、兄弟などにとっては耐え難い悲しみと痛みがあります。
故人の死を受け入れるにはしばしば長い時間がかかるものです。
葬儀をおこなうことで、そのプロセス・時間の中で、ご遺族の悲しみを和らげ、故人の死を乗り越えるための役割があります。
2.社会的役割
人は人の社会の中で生きています。その社会に対して故人の死を通知する必要があります。
社会的な通知としては、仕事・地域・公的なものなどがあります。
故人や近親者の関連する会社であったり、地域コミュニティなどにお知らせをするとともに、死亡届、戸籍、相続など公的な手続きの必要があります。
3.物理的役割
故人のご遺体を火葬や土葬という形で物理的に処理する役割があります。
4.宗教的・文化的役割
死者の霊を慰め「あの世」に送り出す、冥福を祈るという役割があります。
宗教あるいは地域文化の違いによって、さまざまな考え方があります。
5.教育的役割
人が亡くなることによって、自分たちもいつかは死ぬ存在であるということをあらためて再認識します。
そして、生の大切さを知ることができます。
また、葬儀は人の命の重さをあらためて知る場となります。
たとえ小さな子供であっても、葬儀の独特の雰囲気によって人の死を感じ取ります。
生の大切さ、命の尊さを再認識させる役割があります。
※注釈※
お葬式や仏事に関しては、宗派・地域によってさまざまな考え方があります。
できる限り一般的な観点で記事を作成しておりますが、実際のお葬式・仏事においては各家庭の年長者や地域の宗教者の方の意見を重視されるようにお願いいたします。