お通夜、葬儀式、告別式は耳にすることが多いですが、枕経は聞いたことがないという方が多いのではないでしょうか。
いざ、寺院などに連絡した際に「枕経はどうされますか」と聞かれて戸惑った方もおられると思います。

枕経とは、もともとは死に際した人が不安にならぬように枕元でお経を唱えること、亡くなる人を仏弟子とする儀式でした。現在社会では、死後すぐにおこなわれる儀式の一つです。

具体的には、剃度作法(カミソリで頭髪を剃る作法です。現在では実際に剃ることはなく作法としておこなわれます。)をして、仏・法・僧に帰依させ、仏弟子となった証として戒名を授けます。

かつては、亡くなるとまずは自宅に遺体を連れて帰ることが一般的でしたので、亡くなった時点で菩提寺に連絡をすると僧侶がかけつけて儀式をするというのが一般的でした。現在では、葬儀会館などに遺体を安置されるケースが多くなっていますので、葬儀会館などで枕経をするケースもあります。

また、枕経にはお通夜、葬儀式の打ち合わせの場にもなっており、宗教的儀式と実務的な場となっておりました。

現在は枕経をされないケースも増えてきました。剃度作法などの儀式もお通夜などで一緒にしてしまうことも多くなっています。ですが、枕経は、亡くなった人と遺族の方が別れと向き合うことのできる数少ない場です。お通夜、葬儀式などでは儀式の段取りや弔問客の対応などに追われてしまい静かにお別れすることが難しいので、大切にしていきたい習わしです。